2020年3月21日 相場の見通し②

の続きです。

◎企業業績からのアプローチ
それでは、もうひとつのアプローチ、企業業績です。
正直ここが株価にとって一番大事でしょう。これを調べるためにEPSという「一株利益」を使います。理由は、株価は結局、企業利益で決まると考えるからです。

今回、S&P500で考えます。
2019年の一株利益は160ドルです。日本円でいうと1700円ぐらいですね。要は、米国企業500社の平均的な利益が一株1700円ということです。
それでは、資金がピークアウトした2014年はいくらだったでしょう。それは、120ドルぐらいです。1300円ぐらいという感じです。

 先ほど、株価は企業業績で決まると書きましたが、お金の量がピークアウトした2014年末、そこから企業業績であるこの一株利益も横ばいの時間が2016年まで続きます。その間のNYダウはずっと横ばいでした。16000~18000ドルの間をずっと行き来します。その後、トランプ大統領が誕生し、減税策やらで一株利益を伸ばし、結果NYダウはここまで上昇しました。これからみても、利益が株価を決めると言えると思います。

 それでは本題です。

2019年の一株利益が1700円、2014年が1300円と考えますと、ここからもし、NYダウが17000ドルや18000ドルまで下落したとすると、一株利益でいうと400円分、つまり企業利益が約30%弱減る、ということを織り込んだ水準になります。

 今の状況をこう考えるとちょっとおもしろいです。今の年間の給料が1700円、毎月140円の給料がもらえます。コロナの影響により、仕事が休みとなり給料がもらえなくなりました。400円分減ったので、約3カ月分もらえなくなりました。つまり、約3カ月仕事をお休みしたということです。その水準が17000、18000ドルです。今、20000ドルを割れたので、2.5カ月分ぐらい経済活動が一切止まってしまったという水準ぐらいです。

 いやいや2カ月も3カ月も経済が止まることなんてないでしょ…と思いますよね。だって、前回の3月7日の相場の見通しに書きましたが、米国はITが進んでおり、人の動きは止まっていても、経済はある程度流れます。なので、年間を通して多少減速したとしても、2カ月半分活動が止まるのはあり得ません。ただ、市場は今、それを織り込んだ水準です。

 あと何よりも大事なのは、このコロナの話はワクチンができるであろう来年には流行は止まります。ここはみなさんわかっている話ですよね。

 今、市場が警戒しているのは、この企業利益がどこまで減るのかわからない。だから量的緩和に反応はしなくなり、景気対策のほうに目がいっているのだと思います。つまり、企業利益を支える政策を!といった感じでしょう。ただ、冷静に考えると、上記のような失速まで市場は織り込んでいるのはちょっと行きすぎなのではないかと考えられます。

 今で2.5カ月経済活動が止まることを織り込んでいるとして、6月まで。
ここから株価が値下がりする条件は、それ以上の7月、8月まで経済活動が止まるという懸念が強くなったときです。

 ただ、そんなに長く続くでしょうか。

 前回も書きましたが、人が生活をするためには経済活動を再開せざるを得ません。
今の日本をみればわかります。今週3月20日からの3連休、ナガシマスパーランド、八景島シーパラダイス、美ら海水族館などが再開しましたね。USJやディズニーランドは再延期をしましたが、人が密集しすぎるため、今の時点で集団感染リスクは取らないでしょう。まあ儲かってますからね。

 日本が本格的に経済を止めだしたのは2月の末ぐらいだと記憶しています。私が乗る新幹線に人がいなくなりましたので。それから約1カ月半、予想通り徐々に再開され始めました。今回は3連休とはいえ、私の乗っていた車両で乗車率は70~80%でした。あとは、海外渡航の制限さえ解除がみえれば、本格的再開です。これにはもうあと1カ月ぐらいかかると思います。

 そう考えますと、日本は2カ月ぐらい止まったことになります。ただです…今止まったと書いたのは、あくまで観光業です。ほかの業種はどうでしょう。外で働く建設業などの方から話を聞いても、止まっていません。つまり止まっているのは感染リスクが高い業種のみです。心理って不思議で、一つの活動が止まると全体まで止まっているような錯覚に陥ります。これは次の企業決算で明らかになるでしょう。

 あと忘れてはいけないのは、落ち着いたあとに反動増が必ずきます。米国は今回、今の時点では議会で通るかわかりませんが、最大で2兆ドルの景気対策を表明しております。こういう景気対策の恩恵が訪れます。実際、日本でもオリエンタルランド、スシローなど株価がすでに反転し始めています。行きすぎた株価の下落の修正が起こり始めていると考えられます。

へ続きます。

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