相場の見通し 2020年8月

相場の見通しをおとどけ

梅雨も明け、夏真っ盛りです。
それでもなお、コロナの感染者はいまだ拡大を続けています。
景気は大きく後退していますが、株価はさほど大きな下落もなく、
どちらかというと堅調に推移しています。

資産運用を考える方の中には、
今、買ってもいいのか?売った方がいいのか?
悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、現状の整理と、今後の見通しを考えたいと思います。

【コロナ拡大第二波について】
欧州やNY州など、一度グッと感染が拡大した地域は、現在大きく再拡大はしていません。しかし日本は、当初感染者数をかなり抑え込んでいたため、抗体を持つ人が少ないと思われます。よって、ここからの感染拡大がまだ続く可能性は高いと思います。

そして、ここで一つ不安が。
コロナの抗体が、3カ月ほどで消滅するのでは??という話が出ています。

この意見については、今のところは批判します。その理由は、中国が感染再拡大していないからです。昨年12月の中国でのコロナ拡大から約半年。現状第二波はきていないですよね??
ですので抗体が消滅するという理論は今のところ当てはまらないと思います。ただ、人によるばらつきはある可能性があります。

結論、現時点では、コロナの感染が拡大していなかった地域にはまだ拡大が続きますが、感染拡大したところにもう一度来るという意味での第二波はないのではないか、との判断です。

【日本でのコロナ拡大のゆくえ】

とはいえ、最近日本でコロナ感染者が増えていますので、この先どうなっていくの??となりますよね。以前、急拡大したNY州の感染率は1.74%でした。一方、イタリアは0.4%でした。最近急拡大しているカリフォルニア州は人口4000万人で、感染者が46万人(7月28日現在)といわれていますので、感染率は1%を超えたところですね。

ただ、このそれぞれの地域のデータを比べても共通項が少なく、日本に置き換えて想定することは難しいのです。
コロナの感染力がものすごく高いことはみなさんご存知のとおりです。そのため、密集すればするほど感染者が増えやすいということになります。

そこで、こう考えてみてはいかがでしょうか。
日本と同じような国土面積の国と比較すれば、感染者の着地イメージができるのではないかと。
感染が拡大し、なおかつ日本と同じような衛生状態、同じような面積の国はどこか??

調べてみました。

そこは…ドイツです。

日本とドイツの国土面積はほとんど変わりません。そしてドイツは一度グッと感染者が増えています。このドイツをイメージして、今後の日本の感染者をはじき出すと、ちょっと怖いことになります。

7月30日現在、ドイツの感染者数は20万人です。人口は8300万人。感染率でいうと0.24%です。
これを日本に当てはめますと、日本の人口は1億2000万人、感染率を0.24%とすると、28万人という数字が出てきます。もし、日本がドイツと同じような感染率になるなら、このぐらいまで感染者が増える可能性があります。日本の感染者は現在3万3000人なので、ここから10倍ぐらい増えるということになります。恐ろしいですね…。

ちなみに米国全土で考えると、人口3億2000万人に対して感染者数は448万人ですので、感染率は1.4%になります。
米国がコロナの感染を止められていないのが鮮明ですね。

あと、もう一つの見方は陽性率です。
PCR検査をした人から何人の陽性反応が出るのかというものです。
拡大している地域は5%を超えます。今の日本の陽性率は6%です。この陽性率が5%、4%、と下がっていくようであれば、感染者のピークは過ぎたとみていいでしょう。

今は、以前よりも検査を受ける人が増えているので、感染者が増えているんだと説明している人が多いですが、陽性率が6%の時点で、その説明は意味を成しません。まだまだ拡大すると考えた方がいいです。きちんと落ち着くまでは、予防をしっかりとした方が良さそうです。

【今後の相場】
次は相場について分析します。
まず一つ目のポイントは、感染拡大をする中、再度経済を止めてしまうかどうかです。

日本では一部の都道府県で緊急事態宣言をするなどの動きがありますが、世界的にこのようなことが起きるかどうかです。今のところ答えはノーでしょう。止めたくても止められません。生きるために働かないとダメですからね。国を頼りにしようとしても、経済を止める分のサポートはできません。そのため、世界的に経済を止めるという行動はとらないでしょう。米国も感染率が全土で1.4%まできていますので、そろそろピークアウトするような気もします。まぁないとは思いますが、もし仮に経済を止めるようなことをするようであれば、相場は暴落するでしょう。ちなみにそうなると、また政策強化で株価はV字回復します。
正直この辺はあまり気にしなくていいです。

さて、ここからが本題です。
ここからの相場の動きを予想します。

現在、米国企業の決算が発表され、ここからどう動くのか?と迷い気味な状態です。
市場では、強気派、弱気派でみると、圧倒的に弱気派が多いです。ここから相場は一度調整すると考えている人が多いです。
では、本当にそうなるのでしょうか。

相場は期待と不安で動きます。そして、最終的には企業利益に着地すると私たちは考えています。
今はどちらかというと、前者の期待と不安で相場が上下している感じですね。私たちの考えである、企業利益で相場が動くという考えからはかけ離れているような気がします。

ではこの期待と不安は今後どうなるでしょうか?
それぞれで考えていきましょう。

まず、今ある期待について考えてみましょう。

  • ①金融政策への期待
  • ②財政政策への期待
  • ③コロナの恩恵を受ける企業業績への期待
  • ④コロナワクチン開発への期待

この4つぐらいでしょうか?

まず、①と②による株価下支え力ですが、かなり強いです。

米国はここからさらに1兆ドル以上の追加景気対策を決める予定ですし、さらに上乗せしてくる可能性もあります。
また、お金のばら撒きを続けることを表明しており、財政政策と量的緩和政策の合わせ技はかなりの力を持って、相場に働きかけていると思います。

一方、③ですが、今回の決算発表の前後の動きを見る限り、期待感は強いです。特にアナリストの見方が強気な分、それが安心感になって買われている感があります。

最後に④ですが、ワクチン開発の進捗はコロナリスクの精神的軽減につながりますので、これもそれなりにプラスになります。ただ、もう最終治験に進んでいる企業が増えているため、あとは結果のみです。そのため、ワクチン開発への期待感で相場が上昇することは、今後限定的だと思われます。

次に、不安について考えてみましょう。

  • ①コロナの感染拡大が止まらない不安
  • ②米中関係の悪化懸念
  • ③米国大統領選の後の警戒感

このぐらいでしょうか?
このほか、米国の財政の壁リスクなどがありますが、いつも通り上手に通過していくでしょう。

この上記3つのリスクで要注意なのは、やはり①でしょう。たぶんみなさんもそう考えていると思います。
②は相場を大きく下げるほどの要因にはならないでしょう。大統領選がありますからね。③の大統領選についても、この結果によって相場がどうこうと、今の時点で判断する人は少ないでしょう。

そのため、やはり①に焦点を当てて今後を考えた方が良さそうです。
では、考えていきましょう。

①コロナの感染拡大が止まらない不安
これは米国だけに言えることではなく、世界全体に言えることです。なかなか感染がピークアウトしません。感染が拡大した結果、景気の先行きも不安定。必ずどこかで相場は一度下がる。そう思っている人が多いと思います。

ただ、なかなか相場は下がりません。
なぜでしょうか??

株価というものは、最終的に需要と共有で決まります。この会社、魅力的だなと思う人が多ければ上がりますし、逆なら下がりますね。
その一つの大きな基準となるのが、利益です。

それではここで一つ質問です。

今の相場は、
1.買いたい
2.売りたい
3.様子をみたい

みなさんはどれを選びますか?

おそらく、1を選ぶ人は少ない。2が多く、3を選ぶ人が一番多いのではないでしょうか。

では、ここでもう一つ質問です。
上記の結果であるなら、なぜ相場は下がらないのですか??

需要と供給で決まるなら、売りたい人が多いなら、普通は下がりますよね。だって、買いたい人がいないわけで、売りたい人が多い。
なのに下がらない。なんででしょう?
答えがわかりますか??

答えは簡単です。

単純に、買いたい人がいるからです。私たちが思っている以上に、1の人が多いからです。

先ほど書いた質問をこう置き換えると、わかりやすくなります。
1.今後、企業利益は伸びる
2.今後、企業利益は下がる
3.どうなるかわからないため、まだ判断するのは早い

おそらく、1か3を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
コロナを逆手に、利益を伸ばしている業種がある。そう思う人が多いのではないでしょうか。
つまり、「今後、企業利益は伸びる」=「買いたい」っていう意見はあるんですよね。

では、さらに質問です。
そう思える根拠は何ですか?業績ですか?

今、株価が大きく上昇している企業は、赤字のところが多いです。なので、業績を根拠に、というのはちょっと答えにならない気がします。

私が思う、今強い株が強い根拠。それは、「株価そのもの」です。
株価の動きが強いから、です。

株価の強いところに、さらにアナリストの強気な株価スタンスを見て安心し、その強い株価に乗っていく。そんな感じではないでしょうか。おそらくほとんどの人がそう思っていると思います。先行きの期待が強く、それを証明するかのように株価が強い。だからまだ伸びる。そんな感じだと思います。

けど、それって正しいのでしょうか?
そして、私たちはこれからどうしたらいいのでしょうか?

この答えは簡単です。
正しいです。乗ればいいんです。今の相場に。みんなの考えに。

ただ、今の上昇している株価は、業績ではなく、アナリストの意見、そしてそれに安心して株価が強いからという考えのもと形成されているとわかっているので、リスク管理はしなければなりません。
つまり、売る条件を決めておけばいいんです。
このように、アナリストの意見と株価が強いからという理由で上昇していく状態が、崩れるであろう条件を決めておけば、リスク管理ができます。

では、それは何でしょうか?
とりあえず言えることは、先ほど書いた期待感の4つ、これが崩れると相場が崩れます。
ただ、③の企業業績に対する期待については、条件から外します。今の株価に、アナリストの力がかなり加わっていると思うからです。
アナリストは、株価が強い状態の中では、なかなか予想を変えません。株価が下がり始めると、そこではじめて目標株価を引き下げることが多いのです。ですので、企業業績への期待がなくなったかどうかを予想するのは、とても難しいのです。

よって、売る条件は、以下のように、期待が崩れたときです。

  • ①金融緩和継続への期待→金融緩和縮小になったら、売り
  • ②財政政策への期待→政策の規模が縮小してきたら売り
  • ③ワクチン開発→うまくいかないようであれば売り

この3つのいずれかがわかれば、一度売りです。

おい!そんなことわかってるわ!当たり前じゃないか!
そんなふうに思う人が多いと思います。

しかし、この期待が崩れたかどうかの判断って、実はとても難しいんです。
当然、はっきりと、期待がなくなりました!とわかれば簡単です。ただ、相場はそんなにわかりやすく教えてくれません。みんなが、期待感がなくなったなと認識したときには、もうすでに相場は下落していますからね。

たとえば、コロナウイルスの感染が落ち着いてきたとします。
そうなると相場は上がりますか?下がりますか?
上がります、と答える人が多いかもしれません。

果たして、そうでしょうか?
コロナが落ち着くということは、経済が正常化しますよね。そうなると、①と②の、政策への期待感は消えてしまいます。つまり、売り時ということになります。新たに観光業などの業績回復への期待感は生まれるでしょうが、そんなに伸びしろはありません。
また、今まで相場を作ってきた、コロナを逆手に伸びた企業の業績期待はどうなりますか?伸びが鈍化しませんか?

そんな理由により、株価の上値はかなり重たくなると思います。当然、コロナが落ち着いた!となったときには、株価が一時的に強くなる可能性はあります。ただ、①と②の政策への期待感が消えるというマイナス要素を補うだけの力はありません。私はそう思います。

このように、いい話が逆に、今ある期待感を消してしまう恐れがあります。そして、そのいい話と、今まであった期待感を比較したときに、期待感が消えたことのマイナスのほうが大きければ、相場は下がっていきます。
なので、3つの期待感が消えたときに売る、という判断は、結構難しいのです。

そして今のように、コロナが拡大、もしくは鎮静化が見えない中では、政策は継続されるため、期待感は消えることなく、株価は今の上昇トレンドが続くでしょう。

よって、以下が結論です。
これからの相場は期待感で成り立っている要素が強い。そのため、今後出てくるであろう、期待感と不安感の強弱をしっかり見極めていけば心配はない。今の相場のトレンドに乗るべき。小さな調整はありつつも、上昇トレンドはまだ続くような感じです。

とはいえ、日本の感染者はしばらく増加していくと思われますので、気を付けなければなりませんね。
引き続き、注視しながら考えていきたいと思います。

よろしくお願い致します。

以上

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