トルコリラの反転はあるか?

相場の見通しをおとどけ

まず、「トルコリラが史上最安値に!その理由は??」の記事はこちら

トルコリラの動向を考えるにあたって、2つの指標を追っていくと今後の動向を考えるきっかけになるかと思います。

その2点とは『物価動向と政策金利』『貿易収支』です。

今回は物価動向と政策金利について触れてみたいと思います。トルコは現在“実質金利”がマイナスになっています。その通貨を保有するともらえる金利以上にモノの値段が上がる状態です。

簡単に説明します。

まずは一般的な経済環境の国の例です。

例えば、消費者物価が前年同期比+5% 政策金利10%だとします。

その場合、前年から物価は5%上がっています。そのため、前年100円だった卵は今年105円です。その一方で銀行に預けていたお金に対して100円に金利10%がついて、110円になりました。これが一般的な経済です。つまり物価<金利という状態です。

では実質金利がマイナスとはどのような状態か?

例えば、消費者物価が前年同期比+10% 政策金利5%だとします。

その場合、前年から物価は10%上がっています。そのため、前年100円だった卵は今年110です。その一方で銀行に預けていたお金に対して100円に金利5%がついて、105円になりました。その場合、105円にしかお金は増えていないので、去年は買うことができた卵が今年は買えなくなっています。つまり物価>金利という状態です。

実質金利がマイナスになりますと、その通貨を保有しているだけで価値が下がっていく状態です。このように実質金利がマイナスの通貨を、そのまま保有するでしょうか?おそらくしないはずです。例えば、モノ(ゴールド)にお金を換えたり、価値の下がらなさそうな米ドルに換えたりするはずです。

 日本にいると、あまり実感が湧かないかもしれませんが、トルコではこのようなことが起きています。長くなりましたが、実際の数字をみてみます。

 7月の消費者物価は11.76%、政策金利は8.25%となっています。つまり、実質金利がマイナスです。この状態が解消されることが通貨高になる一つの要素だと思います。そのためには消費者物価が下がるか、政策金利が上がるかです。

 実際消費者物価はここ数カ月10%強です。2019年は20%近く物価が上昇していたことを踏まえますと、ここ数カ月の動向は落ち着いています。事実、中央銀行も「物価の動向は安定している」とコメントをしています。ただこれ以上物価は下がりにくいかと思われます。

 次に政策金利ですが、今年は新型コロナの影響もあり、世界の中央銀行が景気悪化を止めるために金利を引き下げています。トルコもその流れの中で年初は12%あった金利を8.25%まで引き下げています。これは経済悪化をとめるために、やらなければいけない措置だったと思います。

 ではここから更に金利を下げるかということですが、おそらく下げないと思います。中央銀行は「経済環境は正常化に向けて動き始めている」としています。その結果として、前回の政策決定会合の中でも、市場予想は利下げでしたが、据え置きとなっています。また、直近の通貨安もあり、実質的に1.5%の利上げを行っています。具体的には政策金利(8.25%)による資金供給をやめ、翌日物貸出金利(9.75%)による資金供給を行っています。

 つまり物価は安定、中央銀行は実質的な利上げという措置をとっています。いずれにせよ、実質金利がマイナスという状態ですので、この部分をみますと現状は通貨としては敬遠されるところだと思います。それが適正価値よりも通貨下がっている状況を招いています。

 この状態が解消される段階になりますと、今まで売られていた分、買戻しも入るかと思います。

 物価動向と中央銀行の政策は注視していきたいと思います。

 本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

以上

TODOKERU

コメント