トルコリラの反転はあるか?②

相場の見通しをおとどけ

先日のトルコリラの急落の記事に続き、トルコリラの今後を予測してみます。

トルコで先日行われた政策決定会合では、政策金利は据え置きでした。

ニュースでは据え置きに失望とありましたが、利下げがなかっただけ良かったと思っています。トルコの中央銀行はしっかり仕事はしています。今後、経済動向も正常化に向かう想定で、物価も安定することを見込んでいるのでしょう。

では前回の続きで、経常収支について説明したいと思います。

経常収支とは国の収支を表す基準の一つです。

ざっくりですが、貿易による収入や支出と、サービスのやりとりによる収入や支出に、利子とか配当を含めたものです。

 結論を先に書きますが、トルコの経常収支は大きく赤字です。これが通貨安の要因になっています。ただ、経常収支はこれから改善すると思われます。つまり、通貨高となる可能性が高いということです。

 今は輸入>輸出という構図ですが、今後は輸入が減り、輸出は増えていく可能性が高いと思います。また、トルコが外貨を手に入れるために肝となるサービス収支は、今後回復するでしょう。

 ではここから詳しくお話します。

トルコでは貿易収支がマイナスです。これが、通貨安になる原因です。貿易収支がマイナスということは、輸出よりも輸入の方が多いということ。輸入が多い場合は通貨安になります。

 輸入とは、海外でモノを買って仕入れることです。この時の通貨の流れを考えてみます。例えば、アメリカに旅行にいってお土産を買います。この時に支払いはドルですから、円を使う私たちは、円をドルに換えているはずです。このように円をドルに換えるという取引は、金融的にいうと、円を売って、ドルを買っているということです。この取引が多くなれば、円を売る人が多くなって米ドルを買う人が多くなりますので、円安ドル高です。

 トルコでは輸入が多いので、トルコリラ安が構造的に起きているのです。

輸入が多くても、輸出が多ければ問題ないのですが、コロナ禍での世界的な景気減速により、輸出は減っています。そこに追い打ちをかけるのが、サービス収支の減少です。トルコの外貨獲得手段のメインは観光業です。今はコロナで旅行ができないですよね。そのため、トルコの通貨安が進んでいます。

今は経常収支のバランスが大きく崩れている状態です。

せっかく、2019年4月から空港も全面改装して、エアラインも拡充したのに、トルコ政府としては地団駄を踏みたくなる環境でしょう。トルコのイスタンブール空港はネットで検索すると、すごい綺麗です。トルコ政府としては、ワクチンができて、落ち着いて旅行にいける世界を切望していると思います。

 では実際の貿易収支はどうなっているのか。

昨年から数字を追いますと、毎月が-20億ドル弱から-30億ドル強です。

2019年の中頃から通貨の動きは安定していたと思います。つまり、これぐらいのマイナスであれば許容範囲です。

 今年の数字は新型コロナが流行り始めた3月で-53.9億ドル、4月が-45.6億ドルです。このあたりが大きな通貨安の要因でしょう。しかし直近6月の数字は-28.5億ドルになっています。

 これは輸入も減少しているからです。通貨安になると、輸入するものの値段はあがります。トルコリラは年初来で米ドルに対して25%下落しています。日本円が100円から125円になったのと同じですね。日本で考えると今まで100円で輸入できていたものが125円になるわけですから、今は輸入するのをやめようかなとなりますよね。つまり急激な通貨安は輸入を一時的に減少させます。貿易収支の観点から考えますと、これからしばらくは低位の赤字幅で収まると思いますので、過度な通貨安要因にはならないと思います。

 あとは観光が戻ることがトルコリラの通貨高になるキーポイントだと思います。トルコのサービス収支は基本的にプラスです。昨年は毎月20億ドル~60億ドルといったところでしょうか。毎年バカンスのシーズンは高くなる傾向があります。そのため、サービス収支のプラスと貿易収支のマイナスが相殺され、経常収支はプラスになることもあります。プラスであれば通貨高要因です。中央銀行の通貨買い入れも必要ないでしょう。ただ、今はこのサービス収支がほぼゼロです。旅行にいけないですから。

 今後ワクチンができればサービス収支もプラスに転じ、貿易収支の赤字も少ない状況になってきていますので、経常収支は改善する可能性があります。

 もちろん、まだ先ではありますが、経常収支の観点では、これ以上の通貨安はなさそうです。また今後回復する可能性も高いのではないかと思います。

 本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

以上

TODOKERU

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