トルコリラが史上最安値に!その理由は??

相場の見通しをおとどけ

トルコリラが史上最安値を更新しました。
一時的にですが、対ドルで7.343リラ、対円で14.36円まで下がりました。
5月に安値をとった後、安定していたトルコリラに何があったのでしょうか。

状況を整理し、今後の資産管理にお役立て頂ければと思います。

今回の急落の背景は2点あります。
1 IMFのレポートの中でトルコリラの外貨準備に対して警鐘が鳴らされたこと
2 オフショア市場での流動性枯渇

まず一点目は、国際通貨基金(IMF)のレポートです。
この中で、トルコの外貨準備高が急激に減っていること、また十分な準備がないことに対して警鐘がならされました。
今に始まったことではありませんが、引き金になりました。

 トルコ政府は過度な通貨安を防ぐために、自国通貨を買い支えています。つまり保有しているドルを売り、トルコリラを買うという取引を行っています。この原資となるのが、外貨準備高です。
今回この外貨準備高が昨年末の800億ドルから509億ドルまで減少しています。また一部報道では、この外貨準備には金融機関などからの借り入れも含まれているとされていることから、外貨準備高への不信感が強いです。
たしかに、この半年間で300億ドル減少していることを踏まえますと、単純に今のまま、リラの買い支えに動いた場合には、1年で外貨準備はなくなります。
ただ一方で、金を400億ドル分保有しているという側面もありますので、すぐに枯渇ということではないと思います。
しかしながら、当局によるリラ買いが停止すれば、リラの大幅な下落に繋がる可能性があるため、外貨準備の残高は、投資家にとっての重大な関心事です。

 そして二点目が、オフショア市場での流動性を絞ったことによります。
オフショア市場とは、国内の金融市場とは切り離されて行われるものです。

 トルコリラにおいて、オフショア市場での取引は重要でした。
オフショア市場とは、国内の金融機関を通さずに海外の金融商品を直接取引する市場のことです。
トルコ政府はリラの下落を防ぐため、国内の銀行が海外投資家にリラを貸すことを規制しています。リラが国外に出ていくことを防ぐということです。なので、国内市場(オンショア市場)では、海外投資家たちはトルコリラを手に入れることができません。
一方、オフショア市場では、投資家は自由にリラを調達できていました。なので、投資家たちにとって、オフショア市場は重要だったのです。

 しかし、今回はトルコ当局がオフショア市場にも踏み込み、リラの流動性を減らしました。
具体的には、投資家たちがトルコリラを調達して空売りをすることを防ぐために、リラの流動性を絞ったということです。流動性が少なくなると、リラを手に入れるためのコストが高くなります。結果、投資家たちは、リラを手に入れにくくなるのです。
リラを調達し、空売りされてしまうと、トルコリラが下落してしまいます。当局はそれを防ぎたかったのです。
このオフショア市場への規制をした結果、トルコリラを調達するための金利(翌日物のスワップ金利)が1000%を超えることに繋がりました。
この調達金利、いつもは1ケタ台で推移していたものです。
今回の規制により、調達金利がどれだけ上がってしまったか、どれだけリラを手に入れにくくなったか。
数字をみただけでも明らかですね。

 このような動きは、短期的には投資家たちが空売りをする動きを抑えることになるかもしれません。しかしながら、今回はその他の投資家も、リラ建て資産のリスクの高さを再認識するきっかけになったようです。
結局トルコリラの大幅な下落を引き起こしてしまいました。

 このような資本規制は、過去の歴史をみても、中長期的な投資を行う企業などからも敬遠されることが多いのです。つまり、通貨としては信頼度の方が優先されるべきなのです。そういう意味で、トルコリラに資金が流入する可能性を、また低下させたと思います。

今回、提起された2つの問題はすぐに変わるものではありません。

結論としては、史上最安値をとったからといって、今買うべき資産ではないということです。

これからトルコリラの動向を考えるにあたって、追っていくべき指標がいくつかあります。

また、次回以降にお伝えしていければと思います。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

以上

TODOKERU

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